九州遊会 まわる はばたく

 

瓢箪から遊会。遊会から玄氣。玄氣からアジア。 アジアから海。海からニワカ。ニワカから輪舞。 輪舞から九天。九天から遊学。遊学から瓢箪。九州遊会の発足を祝します。 松岡正剛



 「遊会」は1971年に創刊したオブジェマガジン『遊』(編集長:松岡正剛/工作舎)の企画として開催されていた"遊学"の会である。ハイパー・ジャンルに対角線を折り、新たな関係を発見する。遊学の精神を持ち寄り、交わし合う場として、以前は各地で開催されていたが、今ではそのほとんどが休会している。

 

その中で、30年にわたり一度も欠かさず開催しているのが、岡山市のライヴハウス「ペパーランド」オーナー能勢伊勢雄氏による『岡山遊会』である。1980年から毎月一回のペースで開催され、昨年末には通算350回を迎えた。

 

松岡正剛氏が提唱する"遊学"を一途に実践する『岡山遊会』は、新たな場を生み出す母体にもなっている。『岡山遊会』に参加しているメンバーが、それぞれの拠点で遊会を開くようになった。2007年には香川県高松市で『四国遊会』、福井県敦賀市では『敦賀遊会』がスタートしている。

 

『岡山遊会』の灯火は、海峡を越えて九州にも伝わってきた。発会を夢想しつつ、しばらく静かに温めていたが2010年が明けて、にわかに現実味を帯びてきた。作曲家で九州大学教授の藤枝守氏との縁により能勢氏が九大へ招かれたのだが、これを機に九州遊会の発会の話が立ち上がってきたのである。

 

かくして2010年3月、その第一回目を福岡市内の一角で開催することになった。
名称は『九州遊会』。地名のまま福岡遊会としないのは、九州圏内を巡回することを視野に入れているためである。拠点は福岡市に置くものの、全九州への出遊も厭わない。

 

遊会の姿勢はそのままに、毎回テーマを設定し、チューターの話を踏まえて、参加者がフリートークするスタイル。語り尽くしたと感じたときがお開きとなる。出入り自由で無料。原則、月1回の開催予定(土曜日の14時から)。

 

時を刻む部屋のなかで、それぞれの概念を交わし合う。集った面々により立ち上がる場において、時に静かに、際どく歩み寄りつつ時に熱烈に、幾重にも重なるイメージのリングをからめ、連ねゆく場を共有する。

 

結論を出すことが目的ではなく、それぞれの思想や概念を交わし合うなかで感じたこと、気づいたり、感じたことを胸に宿して帰路につけば、それでいい。権威や思想、職業、年齢、性差など、何ごとにもとらわれることはない。ジャンルを横超し、自由へ向かう旅に出る。そんな"遊学の精神"の灯火を九州に。

---「遊びをせんとや生まれけむ」

YUKIYO