このたびの震災では、多くの方が心痛めていることと思います。ここは九州とはいえ、被災地にご家族やご親族、お友達、仕事仲間がいる方もおられるかもしれません。ご無事でありますよう、心よりお祈りしております。
福岡でも催事の自粛が相次いでいるようですが、今月も九州遊会は開きます。
ただ、今回より衣替えをします。
◎春より九州遊学コミュニティへ
九州遊会はおかげさまで1周年を迎えます。この一年間、毎月開催を続けながら、遊学の精神を存分に共有できる場づくりを模索してきましたが、より共振できる場にするために、ちょっとした“衣替え”をすることにしました。
4月より九州遊会は、松岡正剛さんの「千夜千冊」を基軸とした九州遊学コミュニティとして新たにスタートを切ります。ご承知のとおり、千夜千冊は松岡さんが2000年より、毎夜一冊の本を取り上げて紹介するWebサイトコンテンツ(http://www.honza.jp/senya/)。松岡流読書術によって巧みに編み込まれた「知」が響鳴する、めくるめくブック・コスモロジーであり、12年目を迎えた今も随時更新中、1405夜を突破しています。(1405夜は地震に関する千夜千冊の番外編で、ちょうどこの案内を書いている最中に更新されました!)
千夜千冊の中には、わが九州にまつわる話も随所に折り込まれています。私は松岡さんが校長を務めるイシス編集学校の九天玄氣組の学友とともに、九州千夜の断片を“宝石”のように拾い集めてきましたが、そのまま手元でキラキラ輝いているばかりで、いまだ出番待ちをさせている状態。そこで4月以降の九州遊会は、この九州千夜の輝きを携えて、遊会参加者(以下、遊人)と場づくりを楽しもうと考えました。
◎五感闇鍋の遊学サロンをともに
たとえば、ある千夜千冊を取り上げ、遊人とともに輪読しながら、その千夜千冊から連想する音楽、イメージする映像、関連する書籍などを参加者が持ち寄り、互いに交わし合いながら場を共有する。いってみれば、千夜千冊をメインディッシュにそれぞれが持ち寄ったネタをつまみながら、味わおうというもの。
持ち寄るものも、映像や音楽だけでなく、楽器、菓子、茶、花、香りなどなど、五感を遊ばせるアイテムならなんでも構いません。モノばかりでなく、発声方法、ノウハウ、人脈、思い出など目には見えない情報の持ち寄りも大歓迎です。ある意味、“闇鍋”です(笑)。でも「知の闇鍋」も乙なもの。とにかく、その場その瞬間に起こる創発を共有したい。この五感闇鍋の遊学に興味をもたれた方は、ぜひ一緒に場をつくりましょう。
つまり開催のたびに、参加者にも“お題”が出るわけです。でも、急に参加の都合がついた方で、アイテムの準備ができないという場合は、その千夜千冊に目を通すだけでも構いません。千夜千冊には、歴史も哲学も学も情緒もアートも宇宙も日本もつづら折りにされており、そこには遊学トリガーがたくさん仕掛けられています。目を通すだけでも、きっと頭のなかでなにかが動き始めるはず。
このように九州遊会は、遊人との相互編集の場を前提に展開します。この相互編集こそ、2009年4月に松岡さんが九州国立博物館(太宰府)の独演会『ぼくの九州同舟制』で掲げたキャッチフレーズ「九州参集・史繍編集」(主催:A&Q)へと繋がるものと思うのです。九州遊会がそのひとつの方舟になれるのなら本望です。http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1298.html
編集は遊びから生まれる。
編集は対話から生まれる。
編集は不足から生まれる。
編集は照合である。
編集は連想である。
編集は冒険である。
(松岡正剛著書『知の編集術』より)
◎Facebookでプロセス共有
4月より、開催当日だけでなく、その前後のプロセスも共有します。そこで「Facebook」に九州遊会のグループページを立ち上げることにしました。そこでは九州遊会のインフォメーションをはじめ、テーマに伴う情報提供、リンク情報などをシェアしながら交流し、開催当日を迎えたいと思います(非公開設定にしますので、登録者以外は閲覧・発言できないようになっています)。
また開催後の感想や余韻もこのグループページで交わしつつ、次へつないでいければ、遊学ネットワークも知的ネットワークも広がり、次第に熱を帯びていけるのではと、ほんのり期待しています。
なぜ「Facebook」を採用したかというと、顔が見えるツールだからです。ご縁のある方とのつながりを大事にしたいという思いと、参加したくても都合がつかないという方にも、なにかしら関わってもらえれば…という思いから、まずは「Facebook」での展開を考えました。画像も動画もすぐにリンクがはれます。なにぶん私もFacebook初心者なので、あれこれ試しながらの運営になりますが、手練の皆さんにご指導いただきながら、進めていこうと思います。
★「Facebook」アカウントをお持ちの方はご案内しますので、中野までお申し出ください。またご紹介したい方がいる場合もどうぞ。これまでは案内メールを唐突に送りつけている状態でしたが、少しずつ、「Facebook」にシフトしていきたいと考えています。アカウントをお持ちでない方も、ぜひこの機会にご登録をご検討ください。http://www.facebook.com/
◎(茶話と称する)闇鍋実験遊会を開催
まずは遊学実験を3月19日(土)14時から開催します。今回、取り上げる千夜千冊は第1405夜『活動期に入った地震列島』(尾池和夫)と第705夜『現代が受けている挑戦』(アーノルド・トレインビー)、そして第1406夜『原発と地震』(新潟日報社特別取材班)です。
前者はまさに“今”、更新されたばかりの千夜千冊、そして後者は2003年2月3日にアップロードされたもので、九州は直接的に出てきませんが、いま、わたしたちが突きつけられている震災に直結するテーマであろうと思います。こういう時だからこそ、向き合い、語り合おうじゃないですか。各々、千夜千冊に目を通したのち、ここからイメージするアイテムをそれぞれに考えて、当日お持ちよりください。
参加状況を把握するために、参加できる方は事前にメール等でご連絡をお願いします。持ち寄るモノによっては、会場に準備する機材等も必要になるかもしれませんので、その場合はお早めにお知らせください。可能なかぎり、対応できるよう努めますが、まずはご相談ください。まずは実験・・どんな場になるかは、遊人次第・・ぜひ果敢な場づくりを!
(更新:2011年3月16日)